初夏の産地訪問 #6

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

十勝のチーズ工房訪問もここで最後となります。

この日は、帯広から南に1時間弱移動し、大樹町にある半田ファームさんにお邪魔しました。
http://handa-farm.com/ 半田ファームさんのホームページです。
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CLOUD NINEでご用意しているチーズは、この一種類だけなのですが・・・
ハードチーズ(こちらがメイン)やヨーグルトなども製造されています。
自宅用に買わせていただいたヨーグルトが実に美味しかった・・・

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もどきde山羊 
というチーズで、召し上がったことのある方も多いと思います。
ある時いつもお世話になっている、『チーズのこえ』さんに仕入に行った時に見つけて購入してみたのですが
牛乳を乳酸菌(少しレンネットも使用とのこと)で凝固させた、シェーブルチーズのような作り方のチーズ。

探してみると実は酸凝固のチーズはかなり多いのですが、この もどきde山羊 は酸のニュアンスを感じるタイプで熟成するとトロトロになるチーズです。

この日は、併設されているカフェでお茶をいただき、サラッとチーズの事をうかがえればと思っていたのですが
わざわざ来たならということで工房や熟成庫までご案内いただきました。突然にもかかわらず本当に有難うございました。

熟成庫をご案内いただいた半田さん。
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この方がチーズの製造と営業販売を行っています。
もどきde山羊 は他にはないタイプのチーズを作ろうという事で生まれたそうです。
一度に製造できるのは12個くらいとのことで、ちょっと貴重なチーズ?と言ってもいいのかもしれませんね。

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実にたくさんのチーズが熟成庫で出荷の時を待っています。

こちらは、過熟成のもどきde山羊。
温度が上がると直ぐに流れてしまうくらいトロトロの状態でした。
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原料となる牛乳もご自たちで製造されていて、春からは放牧に出されているとのことです。
詳しくはHPをご覧いただければ。。。

こちらの女性は、製造を担当している岡田さん。
ご自身で造っているチーズがどんな方に買われているのか、どんな風に販売されているのか気になって、催事などで出張の際にあちこちに見に行く事もあるそうです。
チーズ作りをやりたくてこちらに就職したとのことで、チーズのお話なども色々と伺ったのはもちろんですが
若い方がまっすぐな気持ちで製造に向き合ってることがなんだか嬉しくなってしまい、かなり脱線したお話をしてしまいました・・・
東京に来ることがあれば是非遊びに来てくださいね。
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隣りにある大きなステンレスの大きなタンクで、牛乳に酵素と乳酸菌を加えチーズも元となるカード(蛋白質と脂肪分が固形になった物)を作り、水分である乳清(ヨーグルトの上澄みのアレです)と分離させて、出来上がったカードを重しを乗せ整形していきます。

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原料の牛乳からできるチーズの重量はだいたい10%くらい(ほんとに少なくなりますよね)
青い容器に入っているのが乳清です。これを煮詰めていくとホエイジャムになります(かなり端折っていますが・・・)

半田ファームさんでは、近隣の養豚農家さんに販売しているそうで、その豚がホエー豚として出荷されるとのこと。
HPに詳しく書いてありますが、飼料なども地元の醤油粕などをつかうことで地域全体で色々な物を循環させて農業や酪農を行っています。

とは言ってもこれは特別なことではなく、何処の地域でもやられていることで(これが全てではないですし、様々な地域に合わせたやり方があります)調理場にいるだけでは知らなかったことが実に多くて、単にチーズの造り手がいるだけではなく、本当に色々な方が関わってチーズが出来あがっているんだなと改めて思います。

今回お世話になった、半田さんも岡田さんも、また今回お会いした本間さん、斉藤さん、高橋さん、記事にはなりませんでしたが、足寄で羊を育てていらっしゃる石田さん、みなさんそれぞれご自身が作っている物は勿論ですが地域にも愛情と誇りを持っている事を凄く感じました。

こういった思いのある方たちが作るチーズや食材を扱うことができるのは、本当に幸せなことだと改めて思いましたし、当店にお越しいただいているお客様に、産地にも興味を持っていただけるようにしていかなければと改めて思った視察旅行となりました。

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工房の見学を終えて、半田ファームさんのメチャクチャ旨いソフトクリームの画像で締めくくりたいと思います。